石橋を叩かないで

マヂカルラブリーが好きです

マヂラブコント シャドウ 最終回 光と影

マヂカルラブリーのコントシャドウが好きすぎて
最終回「光と影」を小説にしてしまいました。

深夜の変なテンションで書いてしまったものです。
マヂラブの世界を大事にしたい方は回れ右ですっ!
Sorry, This story is Japanese only !



シャドウ 最終回 光と影


「…クッソ…! どこにいっちまったんだよ、シャドウの奴…!」
俺は焦りと苛立ちを隠せずに部屋の壁を叩いた。


「ノブヒロー、 うるさいわよー!ちゃんと宿題やってるの?」
階下のリビングから母親に小言を言われる
「わかってるって、今やるところだからさ!」



俺の名前は影山ノブヒロ、どこにでもいる普通の高校生、のはずだったんだけど、ひょんなことからオレの影が喋りだしたんだ。


オレの影は自らをシャドウと名乗り、オレはお前でお前はオレだ、と言った。
あの時は遂にオレの頭がイカれて変なものが見えるようになったかと思ったぜ。
なんでもオレの住む町五ツ川は影の世界線に繋がっているらしく
オレとシャドウは、影の世界から、ここ光の世界を乗っ取るためにやってくる数々の敵と戦ってきた。
あと少しで全ての敵を倒し影の世界線と繋がる洞穴を塞ぐことができそうだったというのに
ある日シャドウがオレの前から姿を消しちまったんだ。


二丁目の公園、オレの家のクローゼットの中、学校やゲームセンター、五ツ川の土手、思い当たるところは全て探したがシャドウは見つからなかった。
そこでオレはあること試してみることにした。


ーシャドウロケーション


シャドウと過ごしていくうちにオレはシャドウパワーを少しだけ駆使することが出来るようになっていた。
もちろんシャドウと一緒でないと出来ないことがほとんどだが
シャドウロケーションなら1人でもできるんじゃないか?
そう思い、手足を思いきり広げて床につけ「シャドウロケーション!」と叫ぶ。
するとどうだろう、五ツ川の地図が地面に浮かび上がり、ある一点を赤く照らしている。


「…う、嘘……だろ…?」


血の気が引き自分の顔が青ざめていくのがわかった。
額から流れる汗が、ひどく冷たい。



シャドウロケーションが照らしだした場所。



それは、影の世界に繋がる洞穴だった。



シャドウの身に何かあったに違いない、慣れないシャドウパワーの使い方をして痛む身体をおしながらも
自然と足が動いていた。
向かう場所はもちろん、影の世界への洞穴だ。


「ノブヒロ!こんな時間からどこに行くのよ!」


母さんの言葉もほとんど耳に入らないまま
家を飛び出し、オレは洞穴へと走っていった。


影の世界へ繋がる洞穴は二丁目公園のトイレの右から2番目にある。
ドアを開けるとそこにはおどろおどろしい闇を醸し出す大きな穴が広がっていた。
さすがに逡巡する自分がいたが、このままシャドウを見捨てる選択肢なんてもちろんない。
オレは一思いに飛び込む。


「うわぁぁぁぁぁあ!!!」


どれくらいの時間落ちていただろうか、行き着いた先はとても暗い空間だった。


「ここは…?」


自分の声がやけに響き、この空間がとても広い所なのだと気づく。


「ノ…ノブヒロ…!?」


聞き覚えのある声のする先に目を向けるも、暗闇に目が慣れず何も見えない。


「シャドウ!そこにいるのか!?」

「来るな、ノブヒロ!帰るんだ、光の世界へ!」


「何言ってんだよシャドウ、それよりシャドウは大丈夫なのか!?」


段々暗闇に目が慣れて、シャドウの姿が見えてくる。


そこには身動きが取れないよう、漆黒の椅子に括り付けらたシャドウがいた。
そしてその後ろにもう1人、シャドウと同じ姿をした影が立っていた。


「ほう、お前が影山ノブヒロか、こんなやつに俺の仲間たちは倒されてきたなんて信じられないな、シャシャシャ」

姿だけでなく声までもシャドウにそっくりだ。


「ノブヒロ、帰れ、俺なら大丈夫だから、早くここから離れるんだ!」


「おい、シャドウ、どういうことなんだよ、そしてお前は一体誰なんだよ!」


心の底から湧き上がる恐怖を押さえ込みながら震える声を絞り出す。


「シャーッシャッシャッシャ、混乱しているようだな、ノブヒロ。教えてやろうか、コイツ(シャドウ)の正体を」


「やめろ、やめるんだ!!!!ノブヒロ、帰れ!」


「どういう…ことなんだ?とにかくシャドウ。今助けに行くから!…ウウウッッッ!!」


シャドウを助けに行こうと走り出したその時、信じられないほどの衝撃が体に走り、身体を吹っ飛ばされた。

「ノブヒローーーーッ!!!」


「シャーッシャッシャッシャッ、シャドウサンダーバリアだ、俺の周りには結界がはってあるんだよ、結界に触れた瞬間雷が落ちて体が吹っ飛ぶってワケさ!」


「クッソ、どうしたらいいんだよこんな時。……雷、雷…雷…、そうか!シャドウ、ちっと痛いかもしれないけど我慢してくれよな!!」


オレはかけているメガネを外してシャドウを縛る紐の上空に目掛けて投げた


「シャーーーーッッ!!」


シャドウの叫び声と共に、雷がシャドウを縛る紐目掛けて落ち、紐が裂けてシャドウの拘束が解かれた。
そして一瞬バリアが解かれた隙にオレはシャドウを助け出した。


「ハハハッ、赤ペン先生に教わったんだよ。雷は高い所に落ちやすいって。だからメガネを投げてわざと落雷させたってワケさ。こんなにうまくいくとは思わなかったけどな!」


「全く影使いの荒いヤツだな、でもありがとう、ノブヒロ。」


「影がかってるだろ?よし、シャドウ。シャドウ、シャドウソードであいつを一気に倒そうぜ!」

「…それは出来ないんだ、ノブヒロ。いいからお前は光の世界へ帰るんだ 」


「さっきから何言ってるんだよシャドウ、あいつを倒すためにオレたち今まで一緒に戦ってきたんだろう?早くやっちまおうぜ!」


「いいからノブヒロ、帰るんだ!」


「シャーーッシャッシャッシャ、ノブヒロ、教えてやるよ、コイツはな…」


「止めろーーーーーーー!!!!!!!!!!!」


シャドウは慟哭と共に、あいつ目掛けてシャドウマシンガンを撃った。
弾は確かにあいつに直撃した。


「シャーーーーーーーッッ!!!!」
「シャーーーーーーーッッ!!!!」


何故か2人の声がシンクロし、弾を撃ったはずのシャドウも胸を押さえて倒れ込んでしまった。


「シャドウ!!!!大丈夫か!?!?!?」


「…ハア、ハア…、ノブヒロ…いいから、ここは俺に任せて、早く帰るんだ。」


「何言ってんだよシャドウ、それになんでマシンガンをうったはずのお前が被弾してるんだよ!すごい血じゃねぇか!」


「…ハア、ハア…シャドウ、ここまで来てもまだノブヒロへ嘘を突き通すつもりか??」


「…クッ…。」


「どういうことなんだよシャドウ!!」


「…ハア、ハアッ…、今度こそ教えてやろう、コイツ(シャドウ)こそが闇の世界の王、つまり俺なんだよ!ノブヒロ、お前が倒そうとしていたボスは、シャドウ自身って言うわけ…さ!」


「!?!?はっ!?!?シャドウ、そんな訳ないよな!?!?何かの間違えだって言ってくれよ!!」


「…ノブヒロ…本当にすまない…オレは、オレは…。影の世界しか知らずに生きてきた、光の世界を支配することこそが正義だと思って生きてきた…。ハア…、でもある日、光の世界への洞穴を見つけてな、シャドウクローンを使って、俺を分身させた。そして光の世界へ出向き、ノブヒロ、お前に会った。」


「…シャドウ、じゃあお前はずっと、光の世界を支配するためにオレに近付いて、オレを騙してたってことかよ!!!なんでだよ!!」


「違う…ッ!違うんだ、ノブヒロ…!始めこそは光の世界を支配する目的を果たすために光の世界を見てやろう、そんな風に思っていた。でも、でもノブヒロ、俺はお前と出会い、お前の影として光の世界で生活していくうちに気づいたんだ、この美し世界を支配するなんて、間違っているって。」


「シャドウ!!わかったよ、わかったから、じゃあ早く一緒に帰ろうぜ、帰って母さんのカレー食べてこっそり夜中までゲームしようぜ、なあ!」


もう自分の顔が涙だか鼻水だかわからない液体でぐしょぐしょだったが
そんなことどうでもよかった。ただ、シャドウとこれからも一緒にいたい、その一心だった。


「ごめんな、ノブヒロ…、お別れだ。あいつの力が暴走しかかっている…。あいつを倒すにはシャドウクローンを解き、シャドウソードで俺の心臓もろとも貫かないといけないんだよ。今まで本当のこと言わなくて、悪かった…。」


あいつの方を見れば、見えないはずの顔が現れ、世にも禍々しい表情でこちらを睨んでいた。


「いいんだよ、価値観なんてひっくり返るって言ったのはお前だろ、お願いだよ、待ってくれシャドウ、お前がいなかったらオレは何も出来ないんだ、行かないでくれ…!行くなシャドウーーーーーーッッッッ!!!」


「ありがとう、ノブヒロ。俺があいつを心臓を貫いたらすぐに光の洞穴から帰れ、あいつの消滅とともにこの影の世界も消える、洞穴も直ぐに縮んでなくなるだろう…。今まで本当に、ありがとう…楽しかったゼ」


「シャドウーーーーーッッッ!!!!」


シャドウへすがりつくよりも先にシャドウがソードへトランスフォームし、あいつと一体化するために走っていくのが見えた。
そして断末魔が聞こえた…。


「クソッ!」


怖くてシャドウの方を見ることが出来なかった。
毎日オレと一緒にいてくれて、ただのつまらない高校生活に刺激を与えてくれて、時には1人ミュージカルで笑わせてくれて、テストの答えをこっそり教えてくれて、ゲームの対戦相手になってくれて、オレが熱く語るマンガの感想を呆れながらも聞いてくれて、嫌いなおかずは影の中に飲み込んでくれて、こっそり思いを馳せている幼なじみの志歩の相談にのも乗ってくれて …
ずっとずっと傍にいてくれたのに。


でも、このままこの影の世界へ飲み込まれる訳にはいかない、最後のシャドウパワーを使ってクタクタだったが、どうにか洞穴へ走り、オレは光の世界へ戻った。



「ノブヒロー!早く支度しないと遅刻よー!」



「わかってるって母さん、行ってきます」


あれから数ヶ月、オレはシャドウと出会う前と同じ、退屈な日々を送っていた。


「ハーア、やってらんねーな。」


「ノブくん、なーにブツブツ言ってるの?最近つまらなそうな顔しちゃって。そういえば、今日転校生がくるらしいよ」


「ふーん。」


志歩に話しかけられて内心ドキドキしながらもオレは平然を装った。


ガラガラガラッピシャッ


担任の武藤の後ろに、1人の学生がついて歩いていた。変な歩き方の奴だな。


「はい、みんなおはよう。今日からクラスメートになる仲間を紹介します」


「初めまして、野田 光です。五ツ川には以前住んでいたことがあり、帰って来れて嬉しいです。皆さんよろしくお願いします。」


動きは変だけど喋ると真面目なんだな。


「じゃあ、影山の横が今空いてるな、野田くん、あのメガネの男子生徒の横に座ってください、何かわからないことがあれば彼に聞いて。それじゃあみんな10分休憩後授業を始めるよ」


カツカツカツ…野田くんがこっちに向かってくる。
やっぱり変な歩き方だな。


「オレは影山ノブヒロ。よろしくね、野田くん」


「…よろしく」


なんだなんだ、すんげぇニヤけてるぞ。
やべぇやつなのかな野田くんって。


そして、野田くんがオレに耳打ちしてきた。


「久しぶりだな、ノブヒロ、志歩ちゃんに話しかけられて鼻の下のびてたぞ」


「…!?!?えっっっ!?!?」



志歩のことを相談したことがあるのはこの世で1人だけだ。


オレはまじまじと野田くんの顔を見る。


「言ったよな、カタストロフィーが始まれば価値観なんてひっくり返るって。俺は影から光になったんだよ。これならもよろしくな、ノブヒロ。」


そう言ってポンッと肩を叩かれた


「シャ、シャドウーーー!!!」


急に大声を出したオレにびっくりしたクラスメートの視線を浴びながら、
オレはシャドウ、いや、光に抱きついた。


光と影


ー完ー

マヂカルラブリーとの出会い

マヂカルラブリー(野田クリスタルさん)を知ったのは数年前のバラエティ番組だった。
基本的にテレビ付けっぱなしの生活をしているので
何か作業をしながら流し見をしていたと思うのだが
野田クリスタルさんが、10代の頃学校へ行こうのお笑い企画で優勝したことがあると話しているのを聞いて
「えっ?あの…?」と、思わず手を止めてテレビ画面を食い入るように見てしまった。

 

 

学校へ行こうと言えば、当時の小中高生がみんなハマった伝説の番組。
未成年の主張や、B RAPハイスクールなど、今でも思い出すとワクワクする企画がたくさんあり
私の青春の一コマといっても過言でない。
もちろんお笑いインターハイ企画も大好きで、当時の野田少年のことも覚えていた。

 

 

テレビを見てびっくりしたのは、野田クリスタルさんの風貌が、当時の野田少年の細身坊主とは真逆のマッチョちょいロン毛になっていたことだ。
でも確かに顔つきは変わっていないな、体格や髪型というのは人の印象を大きく変えるのだなと思った。

そして何より私がシビれたのは、当時の野田少年がそのままお笑いを続けてお笑い芸人になっているという事実だった。

 

幼少期の夢を叶えるのは難しい。
夢に向かって努力をするのは大変なことだし、生まれ持った才能や運だってある。
そして、夢の対象に興味を持ち続けることもまた難しいと思うんよね。

私も幼少期は大人になったらなりたいものがあったが、年を重ねる毎に興味が薄れてしまった。

それでも野田少年は、私が受験で失敗してうあああとなったあの時も、就活で方向性を見失いうあああとなったあの時も、お笑いをひたすらやっていたのか。

語彙力がなくうまく言い表せないのだが
同じ世界線を生きていて、こんなにもまっすぐな野田クリスタルさんと、ぐにゃんぐにゃんに方向性を見失って何やかんやと会社員に落ち着いた私とを比べてしまい 

 

学校へ行こう懐かしいな

あのイケイケだった野田少年が芸人として今も頑張ってる、

この15年くらい元気にやってたのかな

なんかよくわからないけどエモい、

あーーーー、わーーーー、と胸が熱くなり

 

 

野田…クリス……タル!!

 

 

と完全にシビれてしまったのだった。


(人生で迷ったことがあったこと、今会社員をやってると自体はなんの後悔も不満もありません、あくまでひたすらお笑いに突き進んだ野田クリスタルさんと私の人生の対比の話であり

野田クリスタルさんはお笑い芸人という職業の中で私のちっぽけな迷走の何万倍も迷い悩み苦しんだことがあったと思う)

 

そこから、ネットで調べて学校へ行こう時代のコンビ、セールスコントは解散し

他のコンビやピン芸人を経て、今の相方である村上さんとマヂカルラブリーを組んでいることを知った。

 

そして、マヂカルラブリーへの思いを語れる人がいないのでブログにしたためることにした。

 

元からお笑いファンという訳では無いので、考察がど素人だったりすることも思いますが

どうか石橋を叩かないで、優しくしてやってください。